命をつなぐ応急手当

 
岐阜県関市立旭ヶ丘中学校   3年2組 和田 佳奈枝

 

   もし、自分の目の前で人が倒れたら、あなたは何ができますか。たぶん私は、パニックに陥り、何もできないと思います。
   私は、学校で配られた1枚のプリントを見て、友達を誘い、夏休みに関消防署の応急手当普及員の講習会を受けました。
   消防署の方のお話では、毎年1700人程の方が救急車で運ばれているそうです。 しかし、呼吸が停止してからの蘇生率は、4分後には50%、5分後には25%にまで下がってしまいます。でも救急車が現場に到着するまでには、全国平均で6分もかかってしまうのです。いかにその場の応急手当が必要かわかります。
   CPRとは、心肺蘇生法のことで、心臓・肺の蘇生をさせることです。もし、目の前で人が倒れていたら、意識の確認をし、なかったら助けを求め、119番に電話をしてもらいます。講習会で実際に電話をかける役をやってみたら、私はあせってしまって、「救急ですか、消防ですか。」と聞かれて「救急です。」と答えなければならないのに「消防です。」と答えてしまいました。落ち着くことがなにより必要なんだと感じました。
   口の中に異物が入っていないか確かめて、顎を上に持ち上げて気道を確保し、呼吸の有無を確認します。人工呼吸は、鼻をつまんで胸が軽くふくらむ程度にゆっくり息を吹き込みます。すぐできそうに見えたのに、意外と難しくてうまく息が入りませんでした。
   次に脈の確認をし、なかったら心マッサージをします。心マッサージは胸骨下2分の1を両手で3.5〜5cm圧迫します。一人で行う場合は胸骨を15回圧迫し、人工呼吸を2回します。
   今、こうやって落ちついて説明するのは簡単なのですが、実際に自分でやってみると、確実にできると思っていても、手順を間違えてしまうことがありました。やっぱり最初から全部できるわけじゃなくて、何回もやっていくうちに覚えていくもんだと思いました。心マッサージを何度もやっていると、腕がパンパンになって疲れてくるし、交互に人工呼吸もしなくてはいけないので、すごく大変でした。
   また、応急手当というのは、心肺蘇生法だけでなく、三角巾を使った傷の手当ての仕方など、いろいろあります。三角巾を使った傷の手当てでは、固定するために必要な折り方や、頭部の被覆などを習いました。三角巾の折り方は、すべてに関係してくるから大切なのですが、初めのうちは全然できませんでした。それに、頭部の被覆は思ったより難しく、私は家に三角巾を持って帰り、いただいたプリントを見ながら、父や母の頭を借りて、くり返し練習しました。
   ほかにも、応急担架といって、毛布や竹ざおを利用した担架も習いました。自分が運ばれる役をやった時は、持ち上げてくださる人の視線が気になったり、不安定に身体が揺れたりして、怖い気がしました。人を運ぶ時は、落とさないようにと気を遣って、大変だということも分かりました。
   この講習を受けてみて、私は、応急手当の大切さや、命を助ける人のすごさを改めて実感しました。CPRを学校で教えてもらった時には、恥ずかしくて、大きな声で助けを求められなかったけれど、講習後は、恥ずかしいなんて言っていられないことが分かりました。
   もう一度、私はみなさんに問いかけます。もし、自分の目の前で人が倒れたら、あなたは何ができますか。
   これから生きていく中で、目の前で人が倒れることがあるかもしれません。どんな災害に遭遇するかも分かりません。例えば、阪神淡路大震災のような大地震が、この地域でも起こらないとも限らないのです。そうした時に、自分の応急手当によって、一人でも命が救われたらいいと思います。自分のためだけでなく、人のためにこの応急手当ができたら、そして、私たちのまわりに人のために役立ちたいと思う人が増えていったらいいと思います。